大判例

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東京高等裁判所 昭和39年(ネ)755号 判決

右認定の事実から判断すると、被控訴人が補助参加人のために控訴人公庫に対する借受け金債務の連帯保証をし、かつ、その所有不動産に抵当権を設定したのは、補助参加人が厚木基地内に支店を出すに必要な資金を借り入れるものと信じたがためであつたことは容易に推察することができるところではあるけれども、他方、本件の控訴人公庫や引受参加人のような金融機関との間の金銭貸借の担保について普通考慮されることは、保証人や担保提供者の同一性、資力、担保物の存在、その価額等であり、借受金の使途などは重要な問題にならない(もし右の意味の担保提供者が借受金の使途を重要視し、その如何によつては担保提供者になることを肯んじない態度を示すにおいては金融機関はそのような人を適当な担保提供者として採用しないであろう)のが普通のことと考えられるから、担保提供者が借受け金の使途のことを特に重要視する旨をはつきり表示しないかぎり、かようなことは保証契約または担保権設定契約におけるいわゆる要素とはならないものと解するのが相当である。

以上説明のとおりであるから、かりに被控訴人がその主張の点において錯誤におちいつたとしても、その錯誤は単なる動機の錯誤であるにとどまり、要素の錯誤にはならなかつた、といわなければならない。

(新村 市川 中田)

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